
人間の証明
黒人青年の死体に端を発し、これを捜査する刑事と容疑者、彼らの親の軌跡が戦後30年の時を超えて絡んでいく。本作のままでは、犯人は刑事に誘導されて「人間の証明」をした事になり、アメリカの意のままになっている日本を連想させて釈然としない。戦中、戦後の暗黒面を背負って生きて来た犯人が自ら「人間の証明」をする事で戦後の総決算が出来たのではないか。
東京・赤坂の高層ホテルで、展望レストランのある最上階に到着したエレベーター内で、黒人青年が倒れこんですね。誰もが抱える問いに、様々な視点から切り込んだ森村誠一の名作を10時間のドラマにしちゃうんだよ。日米共同の捜査の中であがった意外な容疑者とは…!?映画化、ドラマ化され、大反響を呼んだ、森村誠一の代表作。
ドラマで省かれていた登場人物の背景が詳しく描かれているし、ストーリー展開のテンポの良さのおかげで、(結末が判っていたとしても)十分に楽しんで読むことが出来る。現代に生きる様々な人々の悲しみと痛みが交錯しあい、複雑な人間模様を織り上げていきます。また、1970年代と言う戦争の影が消えていない時代を背景としていることも、物語の「必然性」を高める要因となっている。
映画映画公開時に用いられた有名な台詞「母さん、なーたんのあの帽子どうしたでせうね ええ、夏、碓氷峠から霧積へ行くみちで 渓谷へ落としたあの麦藁帽ですよ...」は西条八十の詩がオリジナルであり、劇中でも語られている。



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