
理由 特別版
対になった超高層ビルの全景がNY貿易センタービルを彷彿させるのも意図的なもので、そこには21世紀における映画のありようを提示したいという監督の真摯な想いが如実に反映されてますよん。問題のエンディングの歌ですが、、、あれは製作スタッフ、誰も反対しなかったんでしょうか?酷すぎて逆に頭に残ります。
小説を忠実に再現するというスタンスの演出方法は、確かに斬新ではあったそうですが、成功しているかどうかは疑問です。この作品は、賛否両論ある作品のようですが、私は現代と真っ向からとっくみあった大林宣彦監督や膨大な情報量の原作を脚本化した石森史郎に敬意を表す以外にないと思います。
またドキュメント・タッチの中に下町の情感を忍ばせた撮影や編集、時に人工美を際立たせる照明、ジャズを効果的に用いた音楽など、実に大胆な実験的手法を駆使しながら、原作の世界観を見事に映像化させつつ、殺人事件が皮肉にも多数の人々の絆を結んでいくという現代の悲劇を濃密に描出していく傑作ですね。
原作を読んでいない主人と一緒に見たのですが、主人は途中であきてしまい、トイレに立ったり飲み物を飲んだりという行動をとっていました。出演は、岸辺一徳、古手川裕子、柄本明、渡辺えり子、宮崎あおいといった大林作品の常連を含めた総勢107人の豪華キャストを揃え、その全員がリアリティを追求するためノーメイクで撮影に臨んですね。

